大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸ポリープが疑われる方の特徴・症状

• 便潜血検査で陽性だった方
• 便に血が混じっている
• 肛門から出血がある
• めまい・息切れなどの貧血症状がある
• 運動習慣がない
• 肥満体質
• 体重が急激に減っている
• 糖尿病を患っている
• 喫煙習慣がある
• 家族に大腸ポリープを切除した人がいる
• 最後に大腸カメラを受けたのが5年以上前

大腸ポリープができる原因は遺伝？

大腸ポリープは、遺伝子の異常によって発生する可能性があると考えられています。
たとえば、APC遺伝子の変異によって大腸の正常な粘膜がポリープに変化するという報告があります。さらに、K-ras遺伝子やp53遺伝子の異常がポリープのがん化に関与しているとするデータも存在します。
実際、遺伝的要因によって大腸全体に多数のポリープが発生し、30代頃から大腸がんを発症する「家族性大腸腺腫症」という遺伝性疾患もあります。
ただし、ポリープの原因は遺伝だけではありません。
年齢（50歳以上）、家族歴（大腸がんの家族がいる）、肉類の過剰摂取、飲酒習慣、高カロリーな食事、喫煙、肥満などの生活習慣や環境要因も大きく関係しています。
これらの外的要因が遺伝子異常を引き起こし、ポリープやがんの発生に関与していると考えられています。

大腸ポリープと大腸がん

大腸がんの約90％は、腺腫が数年かけて徐々に大きくなり、がん化したタイプとされています。
特に、直径10mm以上のポリープはがん化のリスクが高いといわれています。
また、以下のようなポリープも危険性が高いとされています。

さらに、近年では一見正常に見える大腸粘膜から直接がんが発生するケースも報告されています。
このタイプのがんは、進行が速く、浸潤・転移しやすいとされ、注意が必要です。

大腸ポリープの検査方法

ポリープや早期のがんは、ほとんどの場合、症状が現れません。そのため、無症状のうちに発見するためには検査が重要です。
代表的な検査方法は以下の通りです。

便潜血検査（2日法）

便に含まれる血液の有無を調べる検査です。

便潜血検査は簡便で費用も抑えられるため、健診などで広く利用されていますが、腺腫や早期がんを見逃す可能性があるため、過信は禁物です。

大腸カメラ（内視鏡）検査

大腸ポリープの切除について

ポリープ切除の痛み

大腸ポリープは多くの場合、大腸カメラ検査の際に切除することが可能です。切除による痛みはほとんど感じないため、どうぞご安心ください。

切除方法

ポリープの大きさや形状によって治療方法が異なります。内視鏡を用いた切除法には、以下の3種類があります。

ポリープの大きさや進行度によっては、内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）や手術による対応が必要になる場合があり、その際は総合病院への入院が必要です。
また、直径10mm未満の平坦なポリープには、熱を使用しないコールドポリペクトミーが適用されることがあります。この方法は、従来の治療法と比べて術後の出血や穿孔（腸に穴が開くこと）などのリスクが低いとされています。当院ではこの手技を主としております。
治療方針を決定するために、摘出後はポリープの組織を顕微鏡で詳細に検査します。もし大腸がんであることが判明した場合は、追加治療が必要となることがあります。

リスクや合併症

内視鏡治療後には、切除部位から出血や穿孔が起こる可能性がありますが、発生率は非常に低く、少量の出血は1％未満、穿孔は稀です。
ただし、合併症を予防するため、切除後1週間は飲酒や腹圧のかかる運動を控えてください。コールドポリペクトミーを受けた場合には、飲酒や運動の制限期間がより短くなる傾向があります。
ポリープが大きい場合や、出血リスクが高いと判断された場合は、他の医療機関へのご紹介を検討することもあります。
不明点やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

よくあるご質問