健康診断とは
健康診断は、糖尿病や高血圧、脂質異常症など、自覚症状が現れにくく、気づいた時にはすでに進行していることが多い生活習慣病を早期に発見し、病状が進行する前に適切な治療につなげるために行われます。また、自身の健康状態を把握し、最良の健康状態を保つことを目指すものでもあります。
このような健康診断は、法的に義務付けられているものと、任意で受けるものに大別されます。義務的な健康診断には、特定健康診査（特定健診）が含まれ、これは40歳～74歳までの生活習慣病のリスクが高くなる世代を対象としています。特定健診は「高齢者医療に関する法律」に基づいて実施され、1年に1度の受診が推奨されています（75歳以上の方は高齢者医療健康診査）。また、40歳未満の方々も、職場や自治体で健康診断を受けることができます。学生の場合、学校保健安全法に基づく健康診断も実施されます。
当院では、特定健康診査や企業健診、港区で行われるがん検診などを提供しています。
特定健康診査（特定健診）
特定健診とは
特定健診は、生活習慣病を早期に発見し、早めに治療や予防を行うために実施されています。また、肥満による動脈硬化リスクや疾患の深刻化を防止することにも重点が置かれています。
検査内容には、問診、身体測定（身長、体重、BMI、腹囲）、身体所見、血圧、血液検査（脂質、肝機能、血糖、尿酸値、腎機能など）、尿検査（尿糖、尿蛋白、尿潜血など）が含まれます。必要に応じて、貧血検査、心電図検査なども実施されます。
検査結果については医師と共に確認していただきます。生活習慣の改善によって病気の進行リスクを低減できる場合、専門のスタッフ（保健師、管理栄養士など）による健康指導を受けることが推奨されます。これには、動機づけ支援や積極的なサポートが含まれますが、適切な支援方法は医師の判断によって異なります。
※メタボリックシンドローム：お腹が突き出ている内臓脂肪型肥満（男性85cm以上、女性90cm以上の腹囲）の方が該当し、以下の3つの要素のうち2つ以上が該当する場合、メタボリックシンドロームと診断されます。
血糖
空腹時血糖値：110mg/dL以上
血圧
収縮期血圧（最高血圧）130mmHg以上、または拡張期血圧（最低血圧）85mmHg以上
血中脂質
中性脂肪（トリグリセリド）が150mg/dL以上、またはHDL（善玉）コレステロールが40mg/dL未満
企業健診
企業健診とは
労働安全衛生法に基づき、企業に所属する従業員は、事業者の負担で健康診断を受ける必要があります。健康診断には、一般健康診断（雇入時健康診断、定期健康診断、特定業務従事者が受ける健康診断、海外派遣労働者が受ける健康診断、給食従業員の検便）と特殊健康診断があります。当院では、雇入時の健康診断と定期健康診断を提供しています。それぞれの検査項目は以下の通りです。
雇入時の健康診断（雇入時健診）
事業者は常時使用する労働者を雇う場合、その従業員に対して以下の項目について検査を受けさせることが義務付けられています（労働安全衛生規則第43条）。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状と他覚症状の有無の確認
- 身長、体重、視力、聴力、腹囲の計測
- 胸部レントゲン検査
- 血圧測定
- 貧血の有無を調べる検査（血色素量、赤血球数）
- 肝機能の検査（ALT、AST、γ-GT）
- 血中脂質の検査（LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド）
- 血糖値の測定（空腹時血糖、またはHbA1c）
- 尿検査（糖分と蛋白質の有無）
- 心電図検査
定期健康診断（定期健診）
事業者は、1年に1回以上（深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は1年に2回以上）の頻度で、以下の項目に基づく健康診断を実施する必要があります（労働安全衛生規則第44条）。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状と他覚症状の有無の確認
- 身長、体重、視力、聴力、腹囲の計測
- 胸部レントゲン検査、喀痰検査
- 血圧測定
- 貧血の有無を調べる検査（血色素量、赤血球数）
- 肝機能の検査（ALT、AST、γ-GT）
- 血中脂質の検査（LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド）
- 血糖値の測定（空腹時血糖、またはHbA1c）
- 尿検査（糖分と蛋白質の有無）
- 心電図検査
※医師の判断により、身長・腹囲、胸部X線検査、喀痰検査、血液検査（貧血、肝機能、血中脂質、血糖）、心電図を省略することもあります。
費用
| 種類 | 内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 定期健診（雇用前健診） | 問診、診察、身長・体重の測定、視力測定、聴力、胸部レントゲン、血圧、血液検査、尿検査、心電図 | 12,000円 |
| 簡易健診（胸部レントゲンは省略） | 問診、診察、身長・体重の測定、視力、聴力、血圧、血液検査、尿検査、心電図 | 7,000円 |
| 特定の用紙に結果を記載する場合 | 所属事業所、健康保険などへ提出される指定用紙に、健康診断の結果を転記します。 | 3,000円 |
自費健診
自費健診とは
自費健診とは、健康診断を受けたいと希望される方が、医師の診察や各種検査を希望する場合に、健康保険が適用されないため、全額自己負担となる健康診断のことです。つまり、全額自己負担で健康診断を受けることになります。
自治体が実施する健康診断とは異なり、検査項目があらかじめ決まっていません。そのため、受けたい検査を自由に選択することができます。どのような検査に対応しているかについては、個別にお問い合わせいただけます。なお、もし新たに病気が見つかった場合、その治療については保険適用の対象となります。
